「ボールがOBに行ったらどうする?」「池ポチャと崖落ち、罰打は同じ?」――ゴルフのペナルティルールは複雑で、初心者が最もスコアを落とす場面です。本記事ではOB・ペナルティエリア・アンプレヤブル・ロストボールの4種類の処理を完全網羅し、それぞれの罰打計算と救済オプションを解説します。結論を先に言うと、覚えるのは「OBは+2打、ペナルティは+1打、迷ったら同伴者に確認」の3点だけです。
ペナルティの全体像
初心者が遭遇する4種類のトラブル
| 種類 | 杭の色 | 罰打 | 主な処理 |
|---|---|---|---|
| OB | 白杭 | +1打 | 元の位置から打ち直し |
| ペナルティエリア(黄杭) | 黄杭 | +1打 | 後方延長線上にドロップ |
| ペナルティエリア(赤杭) | 赤杭 | +1打 | 横方向の救済も可 |
| アンプレヤブル | 自分で宣言 | +1打 | 3つの救済オプション |
| ロストボール | – | +1打 | 元の位置から打ち直し |
罰打の覚え方
- OBとロスト: 「打ち直し」=実質+2打のロス
- ペナルティエリアとアンプレヤブル: 「救済地点から続行」=+1打のロス

OB(アウトオブバウンズ)の処理
OBの定義
白杭で示されたコース外のエリアに入ったボール。プレー禁止区域。
処理手順(ストローク・アンド・ディスタンス)
公式ルール上の処理:
- ボールがOBにあると確認
- 1罰打を加算
- 元の位置(直前に打った場所)から打ち直し
スコアの数え方
ティーショットOBの例(パー4ホール):
- ティーショット = 1打目(OB)
- 罰打 = +1打
- ティーから打ち直し = 3打目としてカウント
- その後ホールアウトまで残り3打
合計:1+1+1+3 = 6打(=パー4 + 2打のロス)
簡単な覚え方: OB1回で「+2打のロス」
ローカルルール:特設ティー(前進4打目)
多くのゴルフ場では、初心者向けのローカルルールとして「特設ティー(前進4打目)」が設定されています。
- 公式ルールでなくコース独自の救済措置
- 通常は元のティーから100〜150yd前方に設定
- カウント:「打ち直し」せずに4打目から特設ティーで打つ
- 結果的にスコアは同じ(+2打のロス)だが、進行が早い
スタートマスター(キャディマスター)に事前確認しておきましょう。
ペナルティエリアの処理(赤杭・黄杭)
ペナルティエリアとは
池・川・谷など、コース上に設定されたプレー困難な区画。杭・線で範囲が示されます。
黄杭ペナルティエリア
主に水場(池・川)。
【救済オプション】1罰打加算で、以下から選択:
- 元の位置から打ち直し(ストローク・アンド・ディスタンス)
- 後方延長線上にドロップ: ボールがエリアを最後に横切った地点とピンを結んだ後方線上、距離無制限
赤杭ペナルティエリア(横方向救済も可)
水場以外の障害区域(谷・崖・湿地など)に多い。横方向への救済も追加で選べる。
【救済オプション】1罰打加算で、以下から選択:
- 元の位置から打ち直し
- 後方延長線上にドロップ
- 横方向救済(ラテラル): ボールがエリアを最後に横切った地点から2クラブレングス以内、ホールに近づかない位置にドロップ
スコアの数え方
セカンド池ポチャの例(パー4ホール):
- ティーショット = 1打目(フェアウェイ)
- セカンド = 2打目(池)
- 罰打 = +1打
- 救済地点からドロップ = 4打目としてカウント
- その後グリーン乗せ&パットで残り2打
合計:1+1+1+1+2 = 6打(=パー4 + 2打のロス)
簡単な覚え方: 池ポチャ1回で「+1〜2打のロス」

アンプレヤブルの処理
アンプレヤブルとは
ボールが木の根元・崖・打てない斜面・茂みの中など、物理的に打てない位置にある場合に自分で宣言できる救済。
救済オプション(2019年改訂版)
1罰打加算で、以下から選択:
- 元の位置から打ち直し
- 後方線救済: ボールとピンを結んだ後方延長線上、距離無制限でドロップ
- ラテラル救済: ボールから2クラブレングス以内、ホールに近づかない位置にドロップ
バンカー内アンプレヤブルの特例(2019年改訂で新設)
ボールがバンカー内にある場合、上記3オプションに加え:
- 2罰打加算でバンカー外への後方線救済
バンカーから何度も打って失敗するより、2罰打を払ってバンカー外から打ち直す方が結果的に良いケースが多いです。
アンプレヤブルを使うべき場面
| 状況 | アンプレヤブル使用 |
|---|---|
| 木の根元でスイング不可 | ◎ |
| 崖・池際で危険な体勢 | ◎ |
| バンカーで何度も失敗 | ○(2罰打外救済) |
| 普通のラフ | ✗(救済不要) |
ロストボール(紛失球)の処理
ロストボールとは
ボールが3分以内(2019年改訂で5分→3分)に発見できなかった場合。
処理手順
OBと同じく、ストローク・アンド・ディスタンス:
- 3分間の捜索時間
- 見つからなければ1罰打を加算
- 元の位置から打ち直し
暫定球を活用する
OBやロストの恐れがあるショット時は、その場で「暫定球を打ちます」と宣言してから別のボールを打つ。
- 元のボールが見つかれば → 元のボールで続行
- 見つからなければ → 暫定球(1罰打加算)で続行
プレーファスト(早く打つ)のために重要なルール。詳しくはゴルフのルール 初心者が知るべき20の基本を参照。
救済時のドロップの仕方
ドロップとは
ペナルティエリアやアンプレヤブルの救済時、ボールを膝の高さから落とす動作。
正しいドロップの手順
- 救済区域を決める(ルールに従って)
- ボールを片手に持つ
- 膝の高さ(2019年改訂前は肩の高さ)から自然に落とす
- ボールが救済区域内に止まれば成功
- 区域外に転がれば、再度ドロップ
- 2回ドロップして区域外なら、最後にドロップした地点に置く(プレースという)
よくあるドロップミス
- 投げ方:×投げる ○落とす
- 高さ:×肩の高さ ○膝の高さ
- 区域確認:救済区域を先に決めること
初心者が間違えやすいカウント
| 場面 | 間違い | 正解 |
|---|---|---|
| ティーショットOB | 「もう1回打ち直すだけ」 | 1+罰1+次は3打目 |
| 暫定球を打った | 「暫定で続行」 | 元ボール優先、無ければ暫定+罰打 |
| OB2回連続 | 「2回打ち直し」 | 5打目から(1OB+罰1+3OB+罰1+5打目) |
| 池ポチャ | 「打ち直しだけ」 | 1+1(池)+罰1+次は4打目から救済地点で |
| ドロップ後にまた水へ | 「無罰でやり直し」 | 罰打追加でルール選び直す |
ペナルティを減らす3つの戦略
戦略① ティーショットでOB回避を最優先
ドライバーよりも5W・UTを選ぶ、ティー位置をOBラインから10m離れる、フェアウェイキープを優先。詳しくは100切りに必要な練習法 完全ガイドを参照。
戦略② 池越えはバックティーから狙わない
池がある場合、横を攻めるルートが安全。レイアップ(刻む)で池の手前に止め、次打でグリーン狙いに切り替え。
戦略③ 1打目失敗したら無理をしない
ティーショットで右ラフに行ったとき、ピンを狙わずフェアウェイに戻す選択肢を持つ。
インドアでペナルティ感覚を養う方法
シミュレーターはOB・池ポチャを自動判定してくれるため、ペナルティ感覚を視覚的に学べます。
シミュレーターの活用法
- 18ホール完走でペナルティをカウント: OBが何回出たか確認
- 同じコースを3回プレー: ペナルティ回数の変化を記録
- ペナルティが多い場面を特定: 「いつもPar5の3打目で池に入る」等、ホール別の傾向を分析
東京のインドアゴルフ施設一覧からシミュレーターラウンド対応店舗を検索できます。
OB/ペナルティ よくある質問
Q. OBラインの白杭の判定はどう確認?
A. 杭の内側(コース側)が境界線。杭そのものが境界ではなく、杭を結んだラインがOBの境目です。
Q. ボールが池の縁に止まった、打てそうだけど?
A. 打てるなら打ってOK。ただし片足が池に入る等、自然な状態で打てないなら救済を受ける方が現実的。
Q. 暫定球を必ず宣言する必要がある?
A. 必須。「暫定球を打ちます」と宣言せずに打った球は、元のボールが見つかっても新しいボールで続行しなければなりません(ストローク・アンド・ディスタンス扱い)。
Q. ドロップ後にもう一度同じ場所に転がった
A. 同じドロップを再度やり直し。それでも区域内に止まらなければ、最後にドロップした地点にプレース(置く)します。
Q. アンプレヤブルを宣言した後、見つけたボールはどうする?
A. アンプレヤブル宣言後は元のボールでプレー再開不可。ボールはそのまま放置するか、回収しても構いません。
Q. 同伴者のボールを間違えて打ったら?
A. 誤球で、ストロークプレーでは2罰打。気づいた時点で正しいボールに戻して打ち直し。ボールには事前にマジック等で印を付けると区別しやすい。
Q. ロストボールを見つけたが3分過ぎていた
A. ロスト確定後は元のボールで続行不可。3分は厳守(2019年改訂で5分→3分に短縮)。
まとめ:ペナルティは「3パターン」だけ覚える
ペナルティルールは複雑に見えますが、本質はシンプル:
- OB(白杭): +2打のロス、元位置から打ち直し
- ペナルティエリア(赤/黄杭): +1打のロス、救済地点からドロップ
- アンプレヤブル: +1打のロス、3オプションから選択
迷ったら「同伴者・キャディに確認」が公式に認められた行動です。次回はパッティングの基本で、ペナルティの少ない安全なプレー戦略の続きを解説します。
ゴルフの公式ルール・最新情報は日本ゴルフ協会(JGA)公式サイトでも確認できます。
※本記事は2026年5月時点のゴルフ規則に準拠。最新の正式ルールはJGA公式でご確認ください。
